「ふうん」

一緒に後ろをついて来ながら、純子は軽い口調で言った。

「そんなんだから、範子にもバカにされるんだね」


その言葉に足が止まった。


「範子だけじゃないよ。結局、千夏や美鈴だってさ、渚のことなんてバカにしてるもんね」

「お前……」

「だってバカだもん。いっつも人のことバカにしてるけどさ、本当のバカは渚、あんただもんね」

おかしそうに笑う声。
バッドを持つ手に力が入る。

「いい加減にしろよ!」

私は振り返りざまに、バッドを思いっきりスイングした。


横腹に当たるかと思った瞬間、純子の姿は消えた。