「えー、怖い言い方」
キャッキャッと、純子は笑い声をあげた。

いつも泣かせてばかりだったから、初めて聞く声。

それが逆にカンに触る。

純子は後ろ手に持っていたものを私の足元に投げた。


カラン


転がったのは部活で使っている金属製のバットだった。

範子のやつだ……。

「これ、使っていいよ」

「……」

「ルールは簡単。どっちかが降参したら負け、ね」

なんでお前が勝手に決めてんだよ。

純子のくせに。

純子のくせに。

純子のくせに。