「来るな、来るなよ!」
めちゃくちゃに両手を振り回して叫んだ。

「どうして?」

「来るなぁ!」

「どうして、私をいじめたの?」

その言葉に私の腕の動きが止まった。

「……純子」

「いじめられて、苦しかった気持ちを教えてあげる」
そう言うと、口をニカッと開けて純子は笑った。

ガクガクと体が震えた。

両手を伸ばして近づいて来る純子を、私は思いっきり突き飛ばした。

いつもやっていたように、純子は簡単に吹っ飛んだ。

その隙を見て、グラウンドに通じる出口へ走る。

カギはかかっていない。