「クソ……クソッ」

つぶやきながら足をなんとか前に進める。


ようやく20周を走り終えると、地面に大の字で寝転がった。

グラウンドの使用リミットは午後7時。
きっと、とっくに過ぎている。

もう、グラウンドには誰の姿もない。

息が苦しい。


空には月が出ていた。


満月に近いほど丸い月が、夜の闇を連れて来ていた。




起きあがると、部室へノロノロと歩いてゆく。