「お疲れ様でした!」

1年生の部員が揃って、先輩を部室から見送るのが部のならわし。

従順な後輩を演じるのは簡単。

耐え切れなくなったら、大暴れしてから辞めればいい。

「お疲れ」

気だるそうに3年生が出てゆくと、次は2年生。

範子はあの後、いつも以上に私をこき使った。

それは周りの同期が心配してくるくらいに。

怒りの感情を、そのまま私にぶつけてきている。

まぁ、その気持ちはわからなくない。

私も純子にそうやってきたから。

一度出て行きかけた範子が、思いついたように振り返ると私に近づいてきた。