「県大会のことについてです」

範子は、戸惑ったような表情を見せた。

そう、前回の試合だけ出る予定だった私。

次の県大会は大事な試合だから、ベストメンバーで出場するものと普通は思うはず。

「な、なんの話なのよ」
先ほどまでの威勢はどこへやら、範子が不安そうに尋ねてくる。

自分がレギュラーでいられると思ってたんでしょうけど、おあいにく様。

「言うな、と止められてますので」

私はまた歩き出す。

「言えよ!」
焦りからか、大声を出した自分にびっくりして範子は口元を押さえた。


バカみたい。