「他の1年はとっくに来てんだよ。あんた、調子乗ってんじゃねぇの?」

女子ソフトボールには、男みたいな言葉づかいをする人が多い。

そのくせ髪を染めたり、かわいいキャラクターグッズを集めてたりして逆に気持ち悪い。

範子もそのひとりだった。

ユニフォームにキャラクターの絵が縫い込まれている。

「いえ、すみませんでした」

もう一度頭をさげる。

範子が卒業した日には、ボコボコにしてやるつもり。


それを想像するだけで楽しくて仕方なくなる。


「さっさとグラウンドの整備しな」
そう言うと、範子は部室を出て行った。