翌朝、寝不足のまま教室に入った私の耳に飛び込んで来たのは、
「純子のお母さん、自殺だってよ」
と、いう男子の声。


そう、今朝のニュースでやってたから……。
親子が連続で亡くなったことが珍しい事件として報じられていた。


「私もテレビ見た!」
嬉々として女子が答えている。

「マジで!? 取材来るかもよっ」

誰もが他人ごと。

純子が言ってた【444】の事なんて忘れているよう。

いや、純子の存在すらもうこのクラスでは……。

純子の席は、机ごとなくなっていた。


ぽっかりと空いた空間に、たしかに純子はいたのに。