太一も立ちあがった。

「現実的じゃねーだろ。呪いなんてあるとは思えない」

「でもさっ。だったら、なんで【444】なの? なんで、純子のおばさんは死んじゃったのさ」

「それは、純子の死を悲しんで……」

「あの人が?」

瑠奈はもう笑い出しそうなほど口元をゆがませていた。

「一番悲しんでなかったじゃん! むしろ、一番ホッとしてたじゃん。呪われて当然……死んで当然でしょっ」

「落ち着いてよ、瑠奈」
私は瑠奈の手をつかんだ。

ハッとした瑠奈が、その動きを止めた。

やがて、ゆっくりベンチにまた座ると、シクシクと泣き出した。

太一は腕を組んでいぶかしげにそれを見ている。