「そうやって、泣けば許されるって思ってんでしょ!」

「違う!」
首をちぎれそうなほど横に振っても、どうせお母さんは納得しない。


そう、それがいつものことだから。

「お父さんが出て行ったのはあんたのせいなの。あんたの! だから私が必死で働いて育ててやってんの。なのに、あんたはなんのよ!」
髪を振り乱して叫ぶ。

「お母さ……」

言葉にならない。

それでもお母さんは詰め寄ってくる。

「私が昼間っからお酒飲んでるのを責めてるんでしょ、そうなんでしょ!?」

「う……ちがっ」

「だったらあんたが働け! 食うばっかりでなんにもしないくせに!」

バシッ

頭を思いっきり叩かれて、あたしは床に倒れた。


悲鳴も出ない。