「さっき、喪服を着てたって言っていましたよね」

「葬式帰りみたいな中年ババアがよぉ、大当たりした途端おかしくなっちまったんだよ。香水くさい女だったな」

ツバを道端に吐き捨てた。

「どういうことですか?」

私も尋ねる。

「4のリーチで、大当たりしたんだよ。座ってすぐだぜ。俺なんか何万も持っていかれてるのによぉ」

不満げにボヤくおじいちゃん。

「4?」

太一がそう聞くと、おじいちゃんが大きくうなずいた。

「【444】で大当たり。お座り一発、ってやつさ」


【444】……。


顔から血の気が引いてゆく。


まさか……。