「刑事さんよぉ」

右側から声がして見ると、小柄なおじいちゃんが鏡に近寄って来た。

「俺はいつになったら帰れるんだい」

「もうしばらくお待ちください」

あくまで丁寧に鏡は言うが、
「でもよぉ」
と、おじいちゃんは渋っている。

「もうすぐ、お話は伺いますから」

「だったら、あの喪服の女がやってた台の続きやらせてくれよな。せっかく当たったのに死んじまったんだろ?」

喪服?


え……。


鏡を見た。


目が合う。