店を出ると、少しだけ雨が弱くなっていた。

なにやら駅のほうが騒がしい。

人だかりができていて、警官の姿が見えた。

けたたましい音をたてて救急車がそこから走り出した。

あっという間に私たちの横を通りすぎてゆく。

「なんだろうな」
太一がそちらに足を進めるので、私と瑠奈もついてゆく。

そこはパチンコ屋の前だった。

ロープが張られ、入れないようになっている。


事故……?


パチンコ屋の自動ドアが開き、男性と女性が雨に濡れるのも構わずに出て来た。

「あ、あの人」
隣の瑠奈が声をあげた。

「え?」

言われてよく見ると、その男性はこの間事情聴取に来た鏡刑事だった。