「ちが……、違うよ。そんなつもりで」

「じゃあどういうつもりなのよ!」

ドンッ

強く肩を押されて、あたしは後ろにある冷蔵庫に体をぶつけた。

「お母さん……」

また、酔っているんだ。

お酒、飲んでるんだ……。


夜の仕事をしているお母さんは、休みの日でも飲むことをやめない。

上機嫌になることはあまりなくて、むしろ人が変わったように怒りっぽくなる。


もう、ずいぶん笑顔なんて見てない……。


涙があふれてきた。

視界がぼやけて、ゆがんでいる。

「また泣くんだ?」

「ちが……」