「あった!」

そこまで走ると、カギをはずす。

これで、外に逃げられるはず。


バンッ!


勢いよく窓を開けると、
「お母さん」
そこには、純子が立っていた。

「ぎゃああああ!」

驚きのあまり、また尻餅をついた。

純子はニヤリと口だけで笑うと、スウッと浮かんでトイレの中に入って来る。

勝手に純子の後ろで窓が閉まった。

「な、なによ。あんた化け物なのっ!?」

「お母さんは、親じゃない」
純子がつぶやくように言った。