自分の顔の向こうに、何か見えた。


何か……いや、違う。


誰か、いる。

アタシのすぐ後ろに誰かが立っている。

ゆらゆらと揺れるその体。

「あ……ああ」

ゆっくりと顔を後ろに向けてゆく。

スカートが目に入った。

視線を上げてゆくと、スカーフのないセーラー服姿。


そして、その顔が。


「キャアアアア!」

叫ぶと同時に、アタシは椅子から転落した。