「パチンコ……」

夜の仕事をしてから、随分やってなかった。


今、香典のお金もたくさんあるし……。


すぐそばにある歩行者信号が青に変わった。

それに合わせて、急に雨が弱くなる。


……運もアタシに味方してくれてるのかも。


早足で横断歩道を渡ると、そのままパチンコ屋の自動ドアの中へ入る。

音楽と、パチンコ玉が流れる音がアタシを包みこんだ。

うるさいけど、どこか心地良い。

平日の昼間からたくさんの人が、パチンコ台に向かって座っている。

雨だしすることもないからね。

適当な台に座ると、アタシは香典袋のひとつを開けて中身を確認した。

「5000円……。まぁ、いいか」

それを台の横にある穴に入れると、パチンコ玉が500円分だけ出て来た。