「純子の写真」

そう言って太一が指をさす。

祭壇の上に、大きな純子の写真。

制服を着て笑っている。

私の大好きだった笑顔。

グスッ

隣の瑠奈が鼻をすすって、ハンカチで顔を覆った。

太一は黙って写真を見ている。

その写真の右下に、兼子先生、そして博実がいた。

さすがに喪服を着ている博実だったけれど、表情はおとついと同じ。

退屈そうにため息をついているのが見える。

時折、手で押さえもせずに大あくびをしていた。

「あいつ、母親だろ?」
いぶかしげに太一が言う。

その声には驚きと怒りが含まれていた。