「でも」

「いじめなんてあったら、私が許しません。山本さんはいじめになんてあってないでしょ!?」

「先生」
鏡が鋭い声でそれを制した。
「僕は橘さんにお伺いしているんです」

「……すみません」

恥じるようにうつむいた兼子先生の顔は、真っ赤になる。

それは、恥ずかしいからじゃなく、怒り。

表情がそう語っていた。


帰りに兼子先生からプリントを渡された。

そこには、明日も休校になること。

そして、朝から純子のお葬式があることが書いてあった。


業務連絡のような書き方に嫌気がさしながらも、私は家路についた。