翌日は、休校となったがうちのクラスだけは警察の事情聴取があるので昼過ぎに集合をかけられた。

ひとりずつ指導室に呼ばれ、それが終わったら帰ってもよいとのこと。

警察の人は、制服を着ていないから刑事のよう。

まだ若そうな刑事は、
「鏡」と名乗った。

黒縁のメガネで、高そうな黒いスーツを着ている。
穏やかな話し方だけど、時折見せる鋭い目つきが職業を表している。

横には部下らしい女性が背筋を伸ばしてメモをとっていた。

「橘 遙香です」
そう言うと、鏡はまっすぐに私を見た。

「君が、山本純子さんと一番仲が良かったのかな?」


仲が良い……。


たしかに、以前はそうだったけれど……。

『友達をやめる』

あの純子の言葉が、今すぐそばで言われているように聞こえた気がした。