病院の入り口には、佐藤太一が立っていた。

陸上部のユニフォームのまま、
「よう」
と、私たちに声をかけた。

「太一、来てくれたの?」

「まぁな……。で、純子は?」

病院の建物を見て、静かに言った。

私は黙って首を横に。

言葉にならない代わりに、また涙があふれた。

「そっか……」

太一も苦しそうな表情を見せた。

「純子が死んだなんて、な……」

「うん……」

「ウチのせいかもしれない」

瑠奈がポツリとつぶやいた。

「え?」