「純子は、どうなんですか?」

瑠奈がその目を見返しながらそう尋ねた。

「今、診てもらってるところだ」

男の先生が代弁した。

イライラしているようで、せわしなく歩き回っている。

「帰りなさい、って言ったでしょう?」

他の先生の手前だからか、声色を優しく変えた兼子先生が言った。

「友達なんです」

そう私が言うと、瑠奈も大きくうなずいた。

友達だから、そばにいたかった。

「え?」

「純子は友達なんです。そばにいてやりたいんです」

もう兼子先生はあきらめたように大きなため息をついた。


ウィーン


自動ドアが開くと、そこには化粧の濃い中年の女性が立っていた。