総合病院へ向かうまで、私たちは無言だった。
さっきの事を口にしたら、それが本当に起きた事だと実感しそうで……。
入り口には救急車がまだ止まっていた。
これに乗って、純子は来たのだろう。
診察時間が終わって閑散としているロビー。
受付で尋ねてみようと歩き出した私たちに、
「あなたたち!」
と、いう声が後ろから聞こえた。
振り向くと、兼子先生が携帯を片手に立っていた。
「先生」
瑠奈が駆け寄る。
「何しに来たの!? 今日は家に帰りなさい」
あたふたとしている兼子先生が、早口でそう言うと責めるような目で私たちを見る。
「純子は? 純子は大丈夫なんですか!?」
そう尋ねながら、先生に近づくと、まるで拒否するように先生は数歩さがった。
さっきの事を口にしたら、それが本当に起きた事だと実感しそうで……。
入り口には救急車がまだ止まっていた。
これに乗って、純子は来たのだろう。
診察時間が終わって閑散としているロビー。
受付で尋ねてみようと歩き出した私たちに、
「あなたたち!」
と、いう声が後ろから聞こえた。
振り向くと、兼子先生が携帯を片手に立っていた。
「先生」
瑠奈が駆け寄る。
「何しに来たの!? 今日は家に帰りなさい」
あたふたとしている兼子先生が、早口でそう言うと責めるような目で私たちを見る。
「純子は? 純子は大丈夫なんですか!?」
そう尋ねながら、先生に近づくと、まるで拒否するように先生は数歩さがった。