___放送室に、純子はいた。


セーラー服のスカーフに首を通して、静かに揺れている。

目がありえないほど上を向き、開いた口からは長い舌がぶら下がっていた。

顔色は、青というより紫色に見えた。

「ウソでしょう! 純子、純子ぉぉぉ!」

自分の声が、遠くで聞こえる。

夜になったかと思うほど、一気に純子の姿は黒い闇に覆われてゆく。

それは私がめまいを起こしているから。

気を失いそうになるのを、必死で耐える。

「純子!」

瑠奈がかけよって、叫ぶ。

「君、どきなさい!」

教頭の大きな声。

泣き叫ぶ瑠奈を引きはがすと、教頭たちが揺れる純子の体を床におろそうとする。

輪っかが小さくて、なかなか首から抜けない。

そのたびに揺れる純子。