時計を見ると、午後3時をすぎていた。

それくらい集中していたのだ。

汗が額からこぼれて、傷口を痛めたが気にならない。


それから1時間、あたしは繰り返しこれからのことを自分に言い聞かせた。

迷いなんてない。

それどころか、間もなくマラソンのゴールを迎えるような気持ち。


早く、早く!


時計が16時を指した。

今日は月曜日だから、今頃、みんなテストを受けているのだろう。

図書室からそっと顔を出す。

誰も歩いていない。

そのまま、あたしはそばにある『放送室』へ。

カギを取り出して開ける。

思ったよりも大きな音がして施錠は解かれた。