2回繰り返し読んだ。

「西洋の宗教史……」

タイトルを頭に入れると、あたしは本棚を見回した。

1975年に出された、ということは相当古い本だろう。

古書のコーナーに足を進めた。

しかし、古文に関する本ばかりで目的のタイトルが見つからない。

「違う。違う、違う」

時間が過ぎてゆく。

あたしは、もう一度全体を見回せる場所に戻った。


そうだ……。


たしか、『外国文化』というコーナーがあったはず。

記憶を頼りに、奥へと進むとあっけないほど早くその本は見つかった。

「あった……」

それは太い本で、布地の赤い表紙だった。

紙が黄色く変色しているのが古さを感じさせた。