「はい」

「校長先生と話し合いをして、退学は免れました。あなたも反省していることですし」

「はい」

あたしはまっすぐに兼子先生を見た。

よほどひどい顔をしているのか、先生はとっさに目線を外す。

「でもね、何の処分もしないのもおかしいでしょう?」

「はい」

「だから、停学という判断になりました。1週間です。他の生徒には言いませんから、このまま家に帰りなさい」

「はい」

「1週間後に、反省文を原稿用紙に10枚書いてきてください」

「はい」


あたしは、人形。


言われたままに受け入れる人形。