教室に行くと、クラスメイトの佐藤太一がちょうど来たところだった。

あたしの顔を見るなり、表情を変える。

「げ。純子、お前……」

「……」

とっさに顔を伏せて、あたしは自分の椅子に座った。

佐藤太一は、まだなにか言いたそうだったけど、両手を机に置き、そこに顔を置いた。

眠っているフリをしたかった。

「なぁ……。大丈夫かよ?」

心配そうな声にも、あたしは反応しない。

しばらくすると、太一は教室から出て行ったみたいだった。

彼は陸上部だから、朝練があるのだろう。

それからもあたしは、ずっと顔を伏せていた。

やがて、登校してくるクラスメイトたちの声。


あたしの存在なんてないように、みんな楽しそうに話している。