「お母さん……違うの。あたしじゃ」


バンッ


また殴られたあたしは、床に頭を打ち付けた。

お母さんはそのままあたしの胸のあたりに乗ると、
「なにやってんのよ! 人様のものを盗むなんて!」
と、聞いたこともないような大声を上げてあたしをまた殴った。

鼻血が顔から飛び散る。

「先生が言ってたわよ。人のお金まで盗んだらしいじゃないのよ!」

「ちが……」

「この泥棒がぁ!」

思いっきり右に左に殴られる。

口に広がる血の味。

顔中にあふれる赤色。


それでも、お母さんは殴るのを止めない。