「あんたたち、なにやってたの?」

その声は低く、有無を言わせない迫力。

あたしは首を横に振った。

「なにも……してない……です」

それでも千夏は視線をそらさない。

「あんた、ウソついてないよね?」

「……はい」

「そう」
千夏は急に表情を緩めると、ほほえんだ。
「なら、いいけど」


肩の力が抜けた。

あたしは呪縛が解けたようにまた階段をおりる。

おりきったところで、千夏が言った。

「そうだ。純子、日曜日買い物付き合って」

「え、買い物?」