「だから、ないことはないの。ウチ、動物好きでしょ? だから獣医さんになりたいけど、頭がまだ発展途上だからなぁ」
肩をすくめた瑠奈がわざとらしくため息をついた。

そっかぁ。

なんだか急に置いてけぼりをくらったような気分。

みんなやっぱり夢があるんだ。

あたしもちゃんと決めないとなぁ。

だいたい、毎日の宿題にも悪戦苦闘しているっていうのに。

毎日の宿題……。

宿題?

「あ!」
あたしの足が急に止まったもんだから、斜め後ろを歩いていた瑠奈が、
「ひゃあ」
と、驚いて気の抜けた声を上げた。

でも、私はそれどころじゃない。