……あれからどれくらいの時間が流れただろう。


布団を頭まで被って、身体を丸くして横になっていた私は、奇妙な空気を感じて身体を起こした。





「……?何?この雰囲気」





冷たく、重い空気が部屋の中に漂っている。


部屋の電気は消えていて、お母さんが消してくれたのかなと思ったけど……スマホの時間はまだ22時過ぎ。


お母さんが部屋に入るには早い時間。


だったら誰が……。


ベッドから下りて立ち上がると、テーブルの上に伏せてあるはずの鏡が見当たらない。


鏡が……どこに行ったの?


電気のスイッチを押しても、部屋が明るくならない。


どうなってるの?と、不思議に思っていた時。












ギシッ……。


ギシッ……。









部屋の外、階段の方から足音が聞こえる。


……誰?


お母さんもお父さんも、スリッパを履いているから、こんな足音はしないのに。


鏡がないのも気になるし、この足音の正体も気になる。


うちの廊下に鏡はないから、階段を下りるまでは安全は確保されている。


でも、もしも脱衣所のドアが開いていて、少しでも映ってしまえば……ナニかは私に襲い掛かって来るだろう。