「なにかおかしいよ」

そう言うと、こっちを向いた駿と目が合う。

駿は複雑な表情を浮かべ、そして上がってゆく機体に目をやった。

「10分くらいだろ。まぁ、気長に待とうぜ」

地面に座る雅哉。

制服を着ていなければ、社会人に見られそうな貫禄。

「ウチも座ろうっと」

隣に座る七海。


今、違和感を感じているのは私と駿、そして萌絵だけのようだった。

「なんで、扉が閉まったの?」

萌絵は頭を上に向けたまま言った。

その声は不安そうだ。