陽菜には悪いけど、急に幸せな気持ちになって私は落ち着かない。

その横顔に見とれてしまう。

紗栄子は相変わらず姿勢よくまっすぐ座っていた。

まるで教室の椅子に腰かけているみたい。

「怖くない?」

駿の言葉に我に返る。

その視線は、私に向いていた。

「え?」

「高い乗り物ばかりだけど、怖くない?」

にっこり笑う。


なにこれ!

駿が私に話しかけている!?

一気に顔が暑くなり、のどがカラカラ。