・・・なにやってるの?

「誰! やめてよぉ」

泣きながらも陽菜の左手はどんどん外へ。

それにしたがって体も椅子から少し飛び出ている。

「大変! 機械を止めてください! 止めて!」

叫ぶが、聞こえるわけがない。

それでも叫ばずにはいられなかった。


陽菜の体は椅子から半分外に出ている。

「陽菜! ちょっ、なにやってるの!?」

七海も気づいたようだが、鉄塔が邪魔して声しか聞こえない。

「やめて! やめて!」

必死でこらえている陽菜の体は、まるでなにかに引っ張られているようにどんどん乗り出してゆく。