顔を左に向けると、紗栄子と目が合った。

紗栄子が後を継ぐ。

「そう。空が落ちる。もしくは…」


「空から落ちる?」


そう私が口にした時だった。

「キャアアア」

前から悲鳴が上がったのだ。

見ると、陽菜が大きな声で叫んでいる。


「びっくりした…」

回転が速いから怖いのだろう。

それでも陽菜は悲鳴を止めない。

「や、やめてよ!」

叫び声を上げながら、両手を振り回している。