___やめてよそんなふうに甘えるのは

___私の駿をとらないで



ふと、自分がそう思ったことに気づき驚く。

なに考えてるの、私。

彼は私の気持ちに気づいてもいないのに…。

思ったよりもすごい速さで上空へ上がってゆく。

地面がどんどん遠くなって、やがて園内を見渡せるようになった。

「暗い…」

想像よりもはるかに園内は暗かった。

まるで黒い沼を見下ろしているかのよう。

遠くの街並みの明かりの方がよほど強い。