「冗談でしょ?」

陽菜が半笑いでそう言う。

「私、冗談は嫌いですから」

「あ、そう」

陽菜はあきれた顔をして歩いて行った。


「いいんですか?」

心配になって尋ねる私に、
「なにがですか?」
と紗栄子はニッコリと笑った。



入場口にもスタッフの姿はなかった。

ただ、違うのはさっきもあったガラスケースがここにもあったこと。