「いえ、私は咲弥さんと乗ります」

「え?」

陽菜と私の声が重なった。

「なんで?」

続けて陽菜が聞く。

「占いです」

当然のように紗栄子は言った。

「なにそれ」

もう陽菜の声はトーンを下げている。


チラッと私を見てくる目が怖い。

「今日の占いで、『いつもとは違う人と話をするとよいでしょう』って出てたんです。だから、私は咲弥さんと乗ります」