戸惑う私に藤森さんが言う。
「ちゃんと聞いてね、咲弥ちゃん・・・ううん、下沼咲弥さん。あなたは解離性障害だと思われるの。境界性人格障害とも呼ばれるわ」


かいりせいしょうがい?

きょうかいせいじんかくしょうがい?

なに言ってるの、この人。


死ねばいいのに。

「つらくて苦しくて、どうしても耐え切れない出来事があった場合、人はそれを他人に置き換えるの。自分に起きたことじゃないように処理して、もうひとりの人格を作り出すの」

「・・・死ね」