彼女は私。私は彼女。

そうだよ、下沼さん。

私たちは一緒。

そう思えば、吹き荒れる嵐が落ち着く。


ゆっくり両手を胸から離すと、なにかが視界に入った。

両手が真っ赤に染まっている。

どす黒い血が手を汚す。

「いやあああ!」

椅子から転げ落ち叫ぶ。

「血が! 血がっ!」

必死で床にこすりつけた。


こすりつけてもこすりつけても、汚れは落ちない。