知らずに頭をかきむしっていた。

そのまま椅子に落ちるように腰かける。


胸が苦しい。


両手で胸に手を当てて、激しく息を吸う。

宮崎さんは心配そうな顔をしてくれている。

ありがとう。

あなたが好きかもしれない。

好きになっちゃうかもしれない。


「あなたは死んでないの。死んでないのよ、下沼咲弥さん」

藤森さんの声。

ううん、私は死んでいる。

そう下沼さんが言ってたもの。