「出られないわよ」

後ろで冷ややかな声。

藤森さんは私を見ずに続ける。

「下沼さん、あなたの服だけどね。それなぁに?」

「は?」

「なにかヘンだと思わないの?」

たしかに白い部屋には合わない服だけど、そんなこと言われる筋合いない。

キッと彼女をにらんだ。

大股でさっきの席に戻ると、机を両手で叩いた。

バンッ!

「意味が分からないんですけど!」

「あなた、昨夜はセーラー服を着てたって言ってなかった?」

まったく動じない様子で藤森さんは平然と言ってのけた。