「へぇ。同じ下沼咲弥なのにねぇ」

口笛を吹きそうな言い方で藤森さんは目を見開いた。

完全にバカにされている。

「なんなんですか、さっきから!」

我慢の限界。

私はまた立ち上がると、そのままドアへ向かう。

「帰ります! こんな取材受けるんじゃなかった」

腹がたつ。

善意で協力してやってるのに、あの態度はひどすぎる。

ドアノブをまわして引く。


ガタッ


「え?」


ガタガタッ


ドアは開かなかった。


信じられない、カギがかかっている・・・。