「咲弥です」

私も名前を名乗った。

なぜか少しだけ彼が魅力的に思えた。

藤森さんが私をまた見る。

「咲弥ちゃん。ううん、下沼さんって呼んだ方がいいのかな?」


なに、この人の態度。

ムカムカとこみあげてくる感情。

「どっちでもいいです」

顔をそむけた。

「そう。じゃあ咲弥ちゃん。あのね、あなたの話には矛盾点がたくさんあるの。意味、分かる?」

「・・・さぁ」

この女…。


殺してやりたい。