「本物でしょうか?」

紗栄子が札束を疑わしそうにのぞき込んでいる。

「どう見ても本物だろーが」

雅哉が興奮をおさえられない声で言った。

声が大きい。

私ものぞいてみるが、確かに本物のお金に見えた。

ガラスには『強化ガラス』と書いてあるから、簡単には割れないのだろう。

「これが賞金なの?」

七海の目がキラキラ光っているように見えた。

「まじかよ、すげー」

雅哉は野獣が本能を見せた時のように目を見開いている。


こんな大金が賞金?