「うわ、すげー!」

雅哉の叫ぶ声が聞こえ、そちらを見ると他の人も口々に感嘆の声を上げている。

みんなが囲むようにしているのは、ガラスでできたショーケース。

胸の高さくらいまである透明の箱で、中になにか入っている。

それは、いくつかの札束。

ピラミッド型に積まれていた。

「これっ、いくらくらいあるの?」

七海が雅哉の腕にぶらさがるようにしてはしゃぐ。

「100万の束が、えっと7個…。マジかよ、700万!」

雅哉がさっきよりも大きな声で叫ぶ。


駿は不思議そうな顔してケースの中を見下ろしている。