「違うっ! みんな私を咲弥って呼んでた。あなたと私は別人だもん!」

声の限り叫んだ。

そんなわけがない。

私が下沼さんなわけがない。

いじめられていたのは、ぜったい私なんかじゃない!

「・・・記憶を操作したからだよ。みんなが、咲弥と私は別人だと思うようにしたから」

「知らないっ」

「じゃあ、聞くけどさ・・・。彼らが死んで、あなたは少しでも悲しんだの? 涙がこぼれた?」

冷たい声が聞こえる。

「知らないっ」

「きもだめしの夜の記憶はあるんでしょう? そこにあなたはいた? 咲弥として、みんなと話をしたの? 私をいじめたの?」

「やめてよ!」