真上に地面が見える。

髪がまっすぐに上に伸びている。

「おい・・・なんだこれ・・・」

駿も顔を真っ赤にしながらそう言っている。

体が重力に負けて、上にある地面に引っ張られる。

肩が痛い。

でも、このU字固定バーが取れたら、まっさかさまに落ちてゆくだろう。

「おい、動けよ!」

駿が体を動かして、車体を進めようとするが到底ムリな話。

「なんだよ、これ! ひきょうだぞ!」


下部に広がる星空。

こんな状況なのに、なぜか私は落ち着いていた。

「クソッ。どうなるんだよ」

焦っている駿を見る。