「駿・・・君?」

「ようやく目が覚めた?」

その言い方には先ほどまでの優しさは1グラムも含まれていない。

冷ややかな目つきで笑っている。

「なんで・・・?」

腕を動かそうとするが、体の後ろで組まれていて微動だにしない。

手首のあたりになにか触れる。

これは、ロープ・・・。

駿が私を縛った・・・?

「悪いな」

ニヤリと笑う。

「どうして、ねぇ、どうしてなの?」

状況を理解できずに言った。

なにかの間違いだと思いたかった。